脂がのっている魚10選!見分け方や食べる際の注意点も解説

魚料理は日本の食文化において欠かせない存在です。その中でも「脂がのっている魚」はとくに人気があります。脂がのっている魚は、味わいが豊かでジューシーな食感が楽しめるだけでなく、栄養価も高いため、健康を気にする方にもおすすめです。

本記事では、脂がのっている魚の具体的な見分け方や、その魅力について詳しく解説し、10種類のおすすめの魚をご紹介します。

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「脂がのっている」とは具体的にどういうこと?

「脂がのっている魚」とは、魚の身に適度な脂肪が含まれており、その結果として味が濃厚で、舌触りが滑らかである状態を指します。脂肪分が豊富な魚は、料理するとジューシーで旨みが強く感じられます。また、脂肪分が多いことで栄養価も高まり、とくにDHAEPAなどの健康に良い成分が多く含まれる点でも注目されているのです。

目安は「脂質含有量」

脂がのっている魚を選ぶ際の一つの目安となるのが「脂質含有量」です。一般的に、脂質含有量が10%以上の魚は脂がのっているといわれています。具体的な脂質含有量は魚種や季節、個体差によって異なりますが、これを基準に選ぶことで、おいしい魚を見つけやすくなります。

たとえば、脂ののりが良い魚の代表格であるノドグロ(アカムツ)の脂質含有量の割合は、高いもので25%〜30%(※)もあるとされており、まさに「白身のトロ」と呼ぶにふさわしい魚です。

※出典:島根県水産試験場 トビウオ通信 号外

魚の脂にはDHAやEPAなど、人間の体内で合成できない栄養素が豊富に含まれている

魚の脂肪には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。DHAやEPAは、人間の体内で合成できず、食事から摂取する必要がある重要な栄養素です。DHAは脳の機能をサポートし、EPAは血液をサラサラにする効果があるとされています。したがって、脂がのっている魚を積極的に摂取することで、健康維持や病気予防に役立てることができるでしょう。

DHA
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、主に魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸の一種で、その最大の特徴は脳や目の健康に対する効果です。DHAは脳や網膜に多く存在し、とくに脳では神経細胞の一部を形成。スムーズな神経伝達を助け、記憶力や学習能力を高める効果があるとされています。また、血液の流れを改善し、心臓病の予防にも役立つといわれています。

EPA
EPA(エイコサペンタエン酸)もまた、主に魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸の一種ですが、その特徴は血液の健康に対する効果です。EPAは血液中の「悪玉コレステロール」を減少させ、血液をサラサラにする作用があります。これにより、血液の流れが改善され、動脈硬化や心臓病の予防に効果的とされています。また、抗炎症作用も持っており、慢性的な炎症反応を抑えることが可能です。これらの作用により、EPAは心血管系の健康をサポートする重要な栄養素となります。

脂がのっている魚10選

脂がのっている魚にはさまざまな種類があり、それぞれ独自の魅力があります。以下では、とくにおすすめの10種類の魚を紹介します。

ノドグロ(アカムツ)

ノドグロ(アカムツ)の基本情報
分類:スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科アカムツ属
生息域:北海道〜九州の日本海側など
体長:30-40センチメートル
旬の時期:秋から冬とされているが、通年おいしく人気がある

ノドグロ(アカムツ)は、高級魚として知られ、脂ののりが非常に良い魚です。身は柔らかく、上品な甘みがあります。脂質含有量は高いもので25%〜30%(※)で、DHAやEPAが豊富に含まれています。塩焼きや煮付け、干物がおすすめの調理法です。
※出典:島根県水産試験場 トビウオ通信 号外

クロムツ

クロムツの基本情報
分類:スズキ目スズキ亜目ムツ科ムツ属
生息域:北海道以南〜本州中部太平洋沿岸
体長:60センチメートル(中には1メートルを超えるものもいる)
旬の時期:秋から冬

クロムツは、ノドグロと同じアカムツ科の魚で、脂ののりが良いことで知られています。身は柔らかく、濃厚な旨みがあります。脂質含有量は可食部100グラムあたり12.6グラム(※)で、DHAやEPAも豊富です。塩焼きや煮付け、フライなどがおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

カサゴ

カサゴの基本情報
分類:カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属
生息域:北海道から九州、東シナ海
体長:20-30センチメートル
旬の時期:冬から春

カサゴは、身が締まっていて脂ののりが良い魚です。旨みが強く、コクのある味わいが特徴です。脂質含有量は可食部100グラムあたり1.1グラム(※)と数字上高いわけではありませんが、白身魚としては非常に脂ののりが良いとされています。煮付けや汁物がおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

キンキ(キチジ)

キンキ(キチジ)の基本情報
分類:カサゴ目フサカサゴ科キンメダイ属
生息域:北海道から九州の太平洋側や日本海
体長:30-50センチメートル
旬の時期:冬

キンキ(キチジ)は、北海道を代表する高級魚です。脂ののりが非常に良いことで知られており、身は柔らかく、上品な甘みがあります。脂質含有量は可食部100グラムあたり21.7グラム(※)と非常に高く、DHAやEPAが豊富に含まれています。塩焼きや煮付けがおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

キンメダイ

キンメダイの基本情報
分類:キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属
生息域:日本の太平洋側や日本海
体長:40-60センチメートル
旬の時期:冬から春

キンメダイは、赤い体色が特徴的な高級魚です。脂ののりが良いことで知られており、身は締まっていて、上品な甘みがあります。脂質含有量は可食部100グラムあたり9.0グラム(※)で、DHAやEPAも含まれています。塩焼きや煮付けがおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

アカハタ

アカハタの基本情報
分類:スズキ目ハタ科ハタ属
生息域:南日本の太平洋沿岸や琉球列島
体長:30-50センチメートル
旬の時期:夏

アカハタは、高級魚として知られ、脂ののりが良い魚です。身は締まっていて、濃厚な旨みがあります。脂質含有量は、可食部100グラムあたり2.2グラム(※)と数字上高いわけではありませんが、うっすらとのった脂は絶品です。釣りのターゲットとしても人気があります。
※出典:https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo59/01-26.pdf

ウナギ

ウナギの基本情報
分類:ウナギ目ウナギ科ウナギ属
生息域:日本各地の河川や沿岸
体長:50-100センチメートル
旬の時期:冬(天然ウナギの場合)

ウナギは、脂ののりが非常に良い魚として知られています。身は柔らかく、濃厚な甘みも特徴です。脂質含有量は可食部100グラムあたり19.3グラム(※)と高く、DHAやEPAが豊富に含まれています。蒲焼きが代表的な調理法ですが、白焼きもおすすめです。
※出典:食品成分データベース

ブリ

ブリの基本情報
分類:スズキ目アジ科ブリ属
生息域:日本各地の沿岸
体長:50-100センチメートル
旬の時期:冬

ブリは、冬になると脂ののりが良くなる魚です。身は柔らかく、濃厚な旨みがあります。脂質含有量は可食部100グラムあたり17.6グラム(※)と高く、DHAやEPAも豊富に含まれています。照り焼きや塩焼き、刺身がおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

マグロ

マグロの基本情報
分類:スズキ目サバ科マグロ属
生息域:太平洋、大西洋、インド洋などの広範囲
体長:1-3メートル
旬の時期:通年(とくに冬)

マグロは、代表的な脂がのっている魚です。中でも、大トロと呼ばれる部位は、脂ののりが非常に良いことで知られています。天然クロマグロの脂身の脂質含有量は、可食部100グラムあたり27.5グラム(※)と抜群で、DHAやEPAが豊富に含まれています。刺身や寿司、ステーキがおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

マサバ

マサバの基本情報
分類:スズキ目サバ科サバ属
生息域:日本近海
体長:30-50センチメートル
旬の時期:秋から冬

マサバは、青魚の代表格で、脂ののりが良い魚です。身は引き締まっていて、濃厚な旨みがあります。脂質含有量は可食部100グラムあたり16.8グラム(※)と高く、DHAやEPAが豊富に含まれています。塩焼きや煮付け、刺身がおすすめの調理法です。
※出典:食品成分データベース

脂がのっている魚の見分け方

同じ種類の魚であっても脂ののりが良い個体とそうではない個体がおり、脂がのっているものを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、魚の旬や特徴を見極めるためのコツを紹介します。

旬の時期を見極める

多くの魚は、旬の時期になると脂ののりが良くなります。たとえば、ブリは冬が旬で、この時期に食べると脂ののりがもっとも良いといわれています。ほかにも、サンマは秋が旬、サバは春から秋にかけてが旬です。旬の時期を把握することで、おいしく脂ののっている魚を選ぶことができます。

魚それぞれに存在する特徴を覚える

魚の種類によって、脂ののりが良いことを示す特徴があります。たとえば、ノドグロの場合、個体が大きいほど脂質含有量の割合が大きいことが島根県水産技術センターの研究によって示されています。

アカムツの脂質含有量の特徴として,「県外の釣り・延縄」の漁獲物は脂質含有量の割合が明らかに低いこと,大型魚の割合が小型魚より高いこと,季節的な変動よりも個体差の方が大きく,特に200g前後の個体で顕著なことなどが明らかとなった.消費者がアカムツを購入する際に最も重要視する要素が“脂の乗り”であることから,本県沖底および小底で漁獲される本種の脂質含有量は,その多くが消費者の期待に合致したものである

出典:島根県水産技術センター研究報告「島根県周辺海域で漁獲されたアカムツ総脂質含有量の季節変動と個体差

また、スーパーなどで切り身の魚を購入する際にもちょっとしたコツを押さえておくことで、脂ののりが良い魚を見分けることができます。

サケ:皮が白いものほど脂ののりが良い
サバ:身の色が白いものほど脂ののりが良い
マグロ:筋が平行に入っているものほど脂ののりが良い

出典:https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=4396

脂がのっている魚を食べる際の注意点

脂がのっている魚はおいしく栄養価も高いのですが、食べ過ぎには注意が必要です。とくに、脂質の摂り過ぎは、肥満や動脈硬化のリスクを高めるため、適量を心がけましょう。また、脂がのっている魚は傷みやすいので、新鮮なものを選ぶことが大切です。購入する際は、目が澄んでいて、ぷりっとした身の魚を選ぶようにしましょう。

なお、同じ脂でもワックスエステルを含有する魚には注意が必要です。ワックスエステルは人間の消化酵素では分解されにくく、多量に摂取すると消化不良や腹痛、下痢などの症状を引き起こすことがあります。この成分が多く含まれる代表的な魚としては、バラムツアブラソコムツが知られており、実際にこれらの魚は日本国内において販売(流通)が禁止されています。

ワックスエステルを含む魚としてほかによく知られているのが、オオメマトウダイです。バラムツとアブラソコムツのように販売禁止されていないため、地域によってはスーパーなどで見かけることもあるかもしれません。生の状態で食べるのが身体への負担がもっとも大きいため、もし食す機会があるのなら加熱するなどして脂肪分をできるかぎり取り除くようにしましょう。

参考:ワックスエステルを含有する魚に注意してください/札幌市

まとめ

脂がのっている魚は、豊かな味わいと栄養価の高さで多くの人々に愛されています。本記事では、脂がのっている魚の具体的な見分け方や、おすすめの魚種を10選紹介しました。旬の時期や特徴を把握し、おいしい魚を選ぶことで、日々の食卓がさらに豊かになることでしょう。次回の買い物や料理の際に、ぜひ参考にしてみてください。

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