疲労がたまりやすく、体調を崩しやすいこの季節。そんな疲れた身体に効果的な食材のひとつが「のどぐろ」です。心と身体の健康を促進するオメガ-3脂肪酸などの栄養素が豊富に含まれており、疲れた身体を癒やすにはぴったりの食材だと言えます。また、その豊かな味わいと脂ののりの良さから「白身のトロ」と称されるほど。
本記事では、のどぐろに含まれる豊富な栄養素とカロリー、糖質などについて解説しています。脂ののりが良いということはカロリーも高いと考えられますが、果たしてその真相は……
魚に含まれる栄養素について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
のどぐろに含まれる代表的な栄養素とは
のどぐろ(正式名称:アカムツ)は、非常に脂ののりが良い魚で、その様子を「むつっこい」などと表現すること、そして身が赤いことからアカムツという名前がつけられたと言われています。
また口の中をのぞいてみると、喉の部分が黒くなっており、それがのどぐろ(喉黒)と呼ばれる由縁となっているそうです。
主な産地は日本海沿岸で、特に島根沖から山口沖にかけてよく獲れます。
ここで獲れるのどぐろが、国内漁獲量の8割近くを占めています。
その他には金沢など北陸地方でも海の幸として有名です。北陸新幹線の開業で首都圏からのアクセスが良くなったため、のどぐろ人気が高まったとも言われています。
味は「白身のトロ」と呼ばれるだけあって、口の中でとろけるほどの脂が特徴です。
またサイズが大きなのどぐろほど脂質の含有量が増え、美味しくなるという研究データもあり、そういったものは高価格で取引されます。
さて、のどぐろに含まれている代表的な栄養素は以下の通りです。
ミネラル
ナトリウム
カリウム
カルシウム
マグネシウム
鉄
ビタミン類
ビタミンA
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンB1
ビタミンB2
脂肪酸
DHA
EPA
オレイン酸
イコセン酸
ドコセン酸
参考:新潟市「のどぐろ」
のどぐろにはカルシウム、鉄分、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。これらのミネラルは、骨や歯の健康、貧血の予防、免疫力アップ、疲労回復などに有効です。
また、のどぐろにはビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類も豊富に含まれています。これらのビタミンは、皮膚や粘膜の健康、目の健康、貧血の予防、骨の健康、免疫力アップなどに有効です。
さらに、のどぐろには不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も含まれています。不飽和脂肪酸は体内で合成できないため、肉や魚など食物から摂取することを推奨されている栄養素です。
このように、のどぐろは多様な栄養素を含んでおり、健康維持に大いに寄与する食材です。これからの季節は夏バテ対策にもぜひ摂りたい食材のひとつだと言えます。
動脈硬化の予防に有効なオメガ-3脂肪酸が豊富
のどぐろに含まれている不飽和脂肪酸であるDHAやEPAはオメガ-3脂肪酸とも呼ばれます。
オメガ-3脂肪酸は心血管系の健康を支え、抗炎症作用を持つことから、関節炎の症状を軽減することが示されています。また、認知機能の改善や精神的健康の維持にも重要であるとされる栄養素です。
一般的に、DHAやEPAは脂肪分の多い魚介類に多く含まれるとされています。そのため、上質な脂を豊富に含むのどぐろは、DHAやEPAを摂取する最適な魚だと言えるでしょう。
「脂ののり」が良いとされるのどぐろのカロリーは高い?
のどぐろには脂肪分が豊富に含まれるということに対して、気になるのはカロリーです。
のどぐろのカロリーに関して正確な情報を提供したいところですが、残念ながら、のどぐろはメジャーな魚とは言い難いため、カロリーに関する公的な研究や報告は見つけられませんでした。文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会が調査して公表している日本食品標準成分表にものどぐろについての情報は掲載されていません。
ただし、信頼性が高いいくつかのサイトの情報を参考にすると、のどぐろの可食部100グラムあたりのカロリーは約200キロカロリーだと推定されます。また、日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると「むつ」のカロリーは可食部100グラムあたり175キロカロリーとなっています。
なお、むつとあかむつ(のどぐろ)は似た名前ですが、分類上は別の魚です。しかし、むつもあかむつも脂ののりが良い白身魚という点で共通しており、カロリーに関してもそこまで大きな違いはないと予想されます。やはり、のどぐろのカロリーは可食部100グラムあたり200キロカロリー前後と考えるのが妥当だと言えるでしょう。
さて、のどぐろのカロリーは他の魚と比べて高いのでしょうか、低いのでしょうか。
よく食べられる代表的な魚のカロリーを調べてみました。
魚の名称 | 可食部100グラムあたりのカロリー |
---|---|
くろまぐろ(天然・赤身) | 115kcal |
くろまぐろ(天然・脂身) | 308kcal |
うなぎ(養殖・生) | 228kcal |
さんま(皮付き・生) | 287kcal |
まさば(生) | 211kcal |
ぎんざけ(養殖・生) | 188kcal |
まがれい(生) | 89kcal |
かつお(秋獲り・生) | 150kcal |
まいわし(生) | 156kcal |
まあじ(皮付き・生) | 112kcal |
くろだい(生) | 137kcal |
のどぐろのカロリーを200キロカロリーと仮定すると、上表から分かる通り、ほかの魚と比較してずば抜けてのどぐろのカロリーが高いということはないようです。やはり、まぐろの脂身(トロ)や脂がのっている旬のさんまは、脂肪分の量に比例してカロリーも高くなっていることが分かります。
のどぐろは脂がたっぷりとのっており、一度その風味を味わったなら、その脂ののりの良さがトロに匹敵することに驚くでしょう。そのため、ほかの白身魚と比較すると、のどぐろのカロリーは高いと思われがちです。しかし、実際には上表からも分かる通り、のどぐろのカロリーはそれほど高くなく、健康面から見ても味わいと栄養のバランスが取れた食材だと言えます。
のどぐろの糖質は低い!
栄養成分に関してそのほかに気になる指標のひとつが糖質です。
魚介類全般の特徴として糖質が少ないとされ、のどぐろに関しても例外ではないと考えられます。
たとえば、くろまぐろ(天然・赤身)の場合、可食部100グラムあたりの糖質量は0.1グラム(※)と非常に少なく、三大栄養素においては脂質とタンパク質がそのほとんどを占めています。
のどぐろに関しても同じように100グラムあたりの糖質量は1グラム以下であると考えられるため、糖質が気になる方にとってものどぐろはおすすめの魚と言えるでしょう。
※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
自宅でその味を堪能!おすすめ「のどぐろ」商品4選
栄養価が高く、健康促進や夏バテ対策にも最適なのどぐろですが、一般的にはなかなか食べる機会が少ない魚です。そこで、オンラインショップで購入でき、ご家庭で食べられるのどぐろ商品をいくつか紹介します。
のどぐろ一夜干
和田珍味ののどぐろが他店のものとは一味違う
今や贈答用としても非常に人気を集める「のどぐろの一夜干し」
和田珍味では塩のみを使用し、無添加仕上げにしています。
新鮮なのどぐろを一夜干しに加工し、急速冷凍技術を使って旨味を凝縮させた当商品はのどぐろ本来の味を楽しんでいただくにはもってこい。
脂ののりが抜群なのでグリルの上で焼いてもふんわりジューシーに仕上がります。
【山陰・日本海の幸 “白身のトロ” のどぐろ一夜干 81~100g×3尾 箱入 】 価格:3,240円(税込)
のどぐろのアクアパッツァ
のどぐろとイタリア料理の融合
のどぐろのおいしさをもっとお伝えしたい、その思いから「のどぐろのアクアパッツァ 和風仕立て」が生まれました。
脂ののったのどぐろを一尾丸ごとこんがり焼き、旨味を封じ込め、あさり・トマト・オリーブなどと一緒に旨味が溶け込むように煮込みました。ご家庭で手軽に湯煎でお楽しみいただけます。
【のどぐろのアクアパッツァ 和風仕立て 2袋セット(箱入)】 価格:4,536円(税込)
のどぐろの姿煮
化学調味料不使用&こだわりの自家製タレ
高級魚・のどぐろの濃厚なおいしさが楽しめるもうひとつの食べ方が煮付けです。
和田珍味では、旬の脂が乗ったのどぐろを、こだわりのタレでふっくらとした姿煮に仕上げました。
湯煎するだけで、お手軽にお楽しみいただけます。
【のどぐろの姿煮(中)3袋セット 箱入】 価格:5,400円(税込)
のどぐろのたたき
のどぐろを「たたき」でいただく贅沢な逸品
“白身のトロ”と言われる高級魚「のどぐろ」を使ったのどぐろのたたきです。脂ののった大ぶりののどぐろだけを厳選し、表面をサッと炙ることで香ばしさを引き出し、中身は良質な旨味とコクを閉じ込めました。一夜干とはまたひと味違った贅沢なおいしさをご堪能ください。
【のどぐろのたたき2枚 箱入】 価格:7,348円(税込)
※「のどぐろのたたき」は受注生産の商品となっております。お届けまでにお時間を要する場合がございます。ご了承ください。
まとめ:栄養価の高さと脂ののった味わいがのどぐろの魅力です!
本記事では、のどぐろに含まれる栄養やカロリー、糖質に注目してその魅力を解説しました。
脂ののったのどぐろのとろけるような味わいは絶品です。そしてその上質な脂にはオメガ-3脂肪酸をはじめとする健康にも良いとされる栄養素が豊富に含まれています。ご自宅用としてはもちろん、大切な方に贈るギフトとしてもぴったりな魚がのどぐろです。ぜひ、その栄養たっぷりのおいしさを味わってみてください。