アカムツという魚、別名のどぐろと呼ばれ、日本海でよく獲れる高級魚です。
白身のトロ、白身の王様などと形容されるほどに脂ののりがよく北陸地方や山陰地方の名産品として非常に人気があります。
一方、クロムツという魚がいることがご存じでしょうか?
その名の通り身が黒く、それ以外はなんとなくアカムツと似た雰囲気を持つ魚です。
アカムツとクロムツ、これら2つの魚はどう違うのでしょうか?
身の色の違いだけなのか、はたまた味は全然違うのか。
当記事ではそんなアカムツとクロムツの違いについて徹底調査してみました。
調べてみると意外な事実が・・・
ぜひご覧ください!
シロムツという魚もいるらしいですよ…!
株式会社 和田珍味
和田珍味は大正12年創業のふぐ・のどぐろ等をはじめとする水産加工品メーカーです。
本店は島根県大田市の世界遺産石見銀山から車で15分。
和田珍味オンラインショップはこちら
「ムツ」と名のつく魚は多い
アカムツとクロムツに共通している「ムツ」という言葉、まずはこちらを見ていきましょう。
アカムツにしろクロムツにしろ「ムツ」と名のつく魚の共通項の1つとして「脂ののりが良い」ことが挙げられます。
また、四国地方や中国地方の一部では「味が濃い、あっさりしておらずしつこい味、脂がのっている」ことを方言で「むつこい」もしくは「むつっこい」と言います。
このことから魚の名前につく「ムツ」とは「脂がのっている」という意味で、そこに見た目の特徴である色を掛け合わせて「アカムツ」「クロムツ」などと呼ぶようになったと言われています。
ちなみに「ムツ」という名がつく魚は多いのですが、分類上スズキ目ムツ科に属する魚は国内では「ムツ」と後述する「クロムツ」の2つのみ。
「ムツ」と「クロムツ」は古くは同じ魚とされていて、現在でも見分けるのが困難な場合もあり、「ムツ」が「クロムツ」として流通していることもあるようです。
アカムツ(のどぐろ)
正式名称はアカムツですが、のどぐろという呼び名が有名です。
口の中を開けて見てみると喉の奥が黒いことが特徴的なため、喉黒(のどぐろ)と呼ばれるようになったと言われています。
主な産地は日本海沿岸で、特に島根沖から山口沖にかけてよく獲れます。
ここで獲れるのどぐろが、国内漁獲量の8割近くを占めています。
その他には金沢など北陸地方でも海の幸として有名です。北陸新幹線の開業で首都圏からのアクセスが良くなったため、のどぐろ人気も高まったとも言われています。
味は「白身のトロ」と呼ばれるだけあって、口の中でとろけるほどの脂が特徴です。
またサイズが大きなのどぐろほど脂質の含有量が増え、美味しくなるという研究データもあり、そういったものは高価格で取引されます。
島根県浜田市では「どんちっちノドグロ」、長崎県対馬市上県町では「紅瞳」としてブランド化もされています。
分類上はスズキ目ホタルジャコ科に属しており、後述するムツ科に属するクロムツとは“親戚関係”という程近い魚ではありません。
ただどちらも脂ののりが抜群の白身魚で、高級魚とされていることは共通しています。
クロムツ
岩手県、宮城県、福島県など東北地方また伊豆・小笠原諸島の東京海域で獲れるものが有名です。
鹿児島でもサイズが大きいものが獲れます。
漁獲量はかなり少なく、一般家庭の食卓で食べられることはあまりありません。
アカムツ(のどぐろ)同様に、脂ののりが抜群で、その美味しさは魚の中でもトップクラスと呼ばれています。
その希少性と美味しさから高値で取引されており、時期やものによっては代表的な高級魚クエやアカムツよりも高値がつくこともあるようです。
旬の時期は秋から冬とされており、産卵期は3月から5月頃です。
産卵期前の春になると、卵巣や精巣がふくらみ脂が落ちてきます。
その一方、肥大化した卵巣は「むつ子」と呼ばれ、主に関東地方で珍重されています。
分類上はスズキ目ムツ科に属しており、国内に2種類しかいないムツ科の魚です。
ムツ科に属するもう1つの魚は「ムツ」です。
もともとは「ムツ」1種類だったのですが、これが2種類に分類されるようになり、身の黒い方を「クロムツ」と呼ぶようになったと言われています。
しかしその見分け方はかなり難しく、鱗(うろこ)の枚数で見分ける方法などがあるようですが、それでも完璧ではなく、結果「クロムツ」として「ムツ」が流通していることがあったり、大きさだけでとりあえず区別することがあったりもするようです。
その他の〇〇ムツ
ムツ
スズキ目ムツ科に属する魚で、単に「ムツ」と言えばこの魚を指します。
同じムツ科のクロムツとよく似ており、こちらも脂ののりが良く、美味とされています。
北海道から九州まで日本各地で水揚げされる深海魚で、特に関東地方では昔から煮付けに使われる高級魚として人気がありました。
産卵期は秋から冬で、3-5月に産卵期を迎えるクロムツとは異なります。
シロムツ
シロムツは通称で、正しくはオオメハタと呼ばれる魚です。
アカムツと同様にムツ科に属しているわけではなく、身が白に近く、脂ののりが良い魚なのでシロムツと呼ばれるようになりました。
サイズが小さく、あまり見かけない魚なので、希少性は高いです。
価格は高めで、首都圏の卸売市場では稀に入荷があります。
銀ムツ
マジェランアイナメと呼ばれる南極周辺に生息する大型肉食深海魚です。
脂肪分の多い白身魚で、かつて日本では「銀ムツ」という呼び名で流通していました。
しかし、前述のアカムツやクロムツなどとは分類が異なる魚で、「消費者の混乱を招く」という理由で2003年のJAS法改定以降は「銀ムツ」という名前での販売は禁止されることになりました。
現在は「メロ」という名前で流通・販売されていることが多いです。(「銀ムツ(メロ)」などの表記は認められています)
バラムツ
スズキ目サバ亜目クロタチカマス科バラムツ属に属する魚です。
スズキ目の深海魚であり、脂質含有量が多いことが他のムツと名のつく魚と共通していますが、近縁というわけではありません。
バラムツの最大の特徴は、その脂肪分です。身にワックスエステルといういわゆる蝋のような油脂成分を多量に含んでおり、これが人体では消化できないのです。
人間が食べると、腹痛や下痢に襲われる危険があり、現在は流通不可・販売禁止となっています。
ただし味は絶品と言われており、産地の漁業関係者が自己責任で食用としている場合もあるようです。
市場人気において軍配が上がるのはアカムツ
ここまでムツと名のつく魚をいくつか見てきました。
「むつこい」「むつっこい」という脂ののりが良さをあらわす言葉が転じて「ムツ」という名がついており、アカムツとクロムツに関しても「似て非なる魚」であることがわかりました。
ちなみに市場人気で言うと、アカムツが一歩リードしている印象です。
のどぐろという通称で2000年代以降は高級魚の代表としてメディアなどでも取り上げられましたし、その赤い身が縁起物のイメージともピッタリ合うようです。
そんなアカムツ(のどぐろ)ですが、当店和田珍味のある島根県はサイズの大きなのどぐろが獲れることで有名です。
また島根県沖から山口県沖にかけての漁場と獲れるアカムツは、国内漁獲量のおよそ8割近くを占めています。
和田珍味ではその中から鮮度の良いものを厳選し、魚を知り尽くした職人が一枚一枚丁寧に手作業で加工し全国の皆さまにのどぐろ商品をお届けしています。
お祝いやお返しのお品としてもたいへん人気がございます
オンラインショップから簡単にご注文いただけますので、ぜひ一度ご覧ください。
⇨和田珍味オンラインショップはこちら
のどぐろ一夜干
今や贈答用としても非常に人気を集める「のどぐろの一夜干し」
当店では塩のみを使用し、無添加仕上げにしています。
新鮮なのどぐろを一夜干しに加工し、急速冷凍した当商品はのどぐろ本来の味を楽しんでいただくにはもっともおすすめする一品です。
⇨「のどぐろの一夜干」商品ページはこちら
のどぐろのたたき
脂ののりが良い大ぶりなのどぐろのみを厳選し、表面をサッと炙ることで香ばしさを引き出しました。
のどぐろの良質な旨味とコクを閉じ込めた「のどぐろのたたき」はなかなか他では味わえない品です。
※「のどぐろのたたき」は受注生産の商品となっております。お届けまでにお時間を要する場合がございます。ご了承ください。
⇨「のどぐろのたたき」商品ページはこちら
いかがでしたか?一言でムツと言っても奥が深いですね。