「のどぐろ」と「キチジ(キンキ)」の違いって

「のどぐろ」と「キンキ」のイメージ

今年の夏の贈り物には何を選ばれましたでしょうか。今年は全国的にも非常に暑い日が続いたので、さっぱりと胃もたれのしないもの、夏バテに効果のあるものでご自身も、普段お世話になってるあのひとの体を思う贈り物を送ってあげたいですね。夏のイメージの魚は「のどぐろ」、冬のイメージには「キンキ」と漁獲できる場所にも関連してきますが、季節のイメージがついているようです。

今回の記事では「のどぐろ」と「キンキ」の違いを「漁場」「旬」「魚体の特徴」「料理」という項目に分けてそれぞれの魅力に迫っていこうと思います。

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「のどぐろ」・「キンキ」の漁獲場所の違い

「のどぐろ」は石川県の金沢・島根県・長崎県が有名な産地として認知されています。日本海で主にとることが魚として知られています。様々な漁法を用いて「のどぐろ」は漁獲されており、全国的な呼び名は「アカムツ」です。同じく日本海側の富山県などでは魚の神と書いて「ギョシン」と呼ばれています。

日本海側でとることができる「のどぐろ」に対して、「キンキ」は主に太平洋側でとることができる魚です。ともに色合いなどが似ている魚ですが、日本海の「のどぐろ」、太平洋の「キンキ」といわれているようです。漁獲場所が大きく違う魚だということが分かりましたが、漁獲場所の違いによって旬などは違ってくるのでしょうか。

「のどぐろ」と「キンキ」の旬の違い

「のどぐろ」の旬は2つ説があります。一つは夏から秋にかけて、これは「のどぐろ」の産卵期が6月から10月という理由です。このころは産卵するために多くのえさを食べて、体に栄養を蓄えます。そのため脂肪を多く蓄えた夏から秋が「のどぐろ」の旬と考えられています。もう一つの説は晩秋から冬にかけて。これは寒さから身を守るために体に脂肪を蓄える、多くエサを食べることを旬の根拠としています。冬になると海水温度が低下するので、こちらの説も有力だと考えられます。2つの旬の説ですが、場所によっても変化しそうです。島根県・長崎県では前半の説「のどぐろ」の旬は産卵期の夏から秋。石川の金沢では晩秋から冬にかけてが「のどぐろ」の旬と考えられています。漁場によっても旬だと考えられている季節が変わるのも「のどぐろ」の特徴かもしれません。

「キンキ」は秋から冬にかけて旬をむかえるようです。これは最初に述べたイメージ通りではないでしょうか。「のどぐろ」と同じように深海で生活する魚で、煮魚を皆さんがちょうど食べたくなる時期の秋から冬に旬をむかえ、漁獲される場所も先ほど述べたように太平洋側。その中でも北海道や東北の太平洋側に多い魚で寒い時期に脂肪を蓄えるためおいしくなるようです。

2つのさかなの旬について比較していきましたが、実は「のどぐろ」は一年中おいしいといわれています。様々な漁法でとることができ、そして「のどぐろ」は体脂肪率20%の魚!小さいものからも脂のおいしさがしっかり味わうことのできる魚で、「白身のトロ」と呼ばれています。

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「のどぐろ」・「キンキ」の魚体の特徴

「のどぐろ」・「キンキ」ともに体脂肪率が20%を超える魚。脂のノリが特徴の魚です。似ている魚だということが見た目からもあざやかに赤い色をしているため、似ている魚としてあげられることが多く、このほかにも「キンメダイ」も同じような魚として挙げられます。

「のどぐろ」は全国的には「アカムツ」と呼ばれ、スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属している暖海性魚類です。スズキ科という分類もある魚で、なぞも多い魚です。謎の一つに「のどぐろ」という名前の由来の喉が黒いという特徴、喉の部分が黒くなっているのはなぜかという理由もいまだ解明されていません。また、一般的な食べ物については大きくなると味がおおあじになってしまうということが多いですが「のどぐろ」は脂のノリが非常に大切で、大きくなればなるほどおいしい魚です。

「キンキ」はカサゴ目カサゴ亜目メバル科キチジ属の魚。キンキというのは別名で、正式名はキチジです。特徴はその赤さ!この赤色は海底にすんでいるエビなどを多く食べていることが理由といわれています。エビに含まれているアスタキサンチン。この色素が原因で、鯛が赤い理由とも同じだそうです。

「のどぐろ」・「キンキ」料理

「のどぐろ」と「キンキ」の共通の料理といえば煮付け料理ではないでしょうか。これから秋・冬にかけては食べたくなる魚の煮付け。それぞれの煮付けの違いはあるのか見ていきます。

「のどぐろ」の煮付けはとろけるような白身の身、身の味自体には癖は少なく、うまみがたっぷりで甘辛いたれと相性が抜群です。「キンキ」は脂ノリがよく、小さい魚体からも強い旨味を感じることができます。骨なども柔らかいので、食べやすさも特徴の魚です。身は柔らかいため、調理時煮崩れに注意が必要です。

「のどぐろ」「キンキ」ともに煮付けにすると身のおいしさが引き出され、柔らかさが一層感じられます。調理が難しかったり、工程が多いものが多いので、家ではなかなか食べることができないのが少し残念です。

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