のどぐろの干物の食べ方は?調理器具別の焼き方や保存方法、アレンジレシピを一挙紹介

のどぐろの干物

「干物ってなんだかパサパサしているイメージだし、結局は単なる保存食でしょ?」

いいえ、そんなことはありません!たしかに干物は魚の保存性を高めるための加工法ですが、干物にすることでタンパク質の分解が促進され「うま味成分」が増える、つまり干物は魚本来のおいしさを引き出す調理法のひとつなのです。とくに高級魚のどぐろは「白身のトロ」と呼ばれるほど豊富な脂を持つ魚のため、干物に加工してもふっくらとしたジューシーな仕上がりになります。

本記事では、のどぐろの干物についてその保存方法から調理器具別の焼き方、さらにのどぐろの干物を使ったアレンジレシピまで詳しく解説しています。さらに記事後半では、のどぐろの一夜干しの作り方もご紹介。のどぐろの干物に関する情報が満載の内容となっています。ぜひご一読ください。

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のどぐろは干物にするのに最適な魚

のどぐろは高級魚。であれば、新鮮なお刺身やお寿司で食べないともったいないのでは?と思う方もいるでしょう。しかし、上質な脂を身にたくさん蓄えているのどぐろは、次の理由から干物にするのに最適な魚です。

  • 乾燥によって適度に水分が抜けることで脂のおいしさが引き立つ
  • 豊富な脂のおかげで「ほんとにこれ干物!?」と驚くほどふんわりジューシー

たしかに新鮮な生の状態でいただくのどぐろも絶品ですが、「白身のトロ」と呼ばれるほど脂質の割合が高いのどぐろだからこそ、干物との相性も抜群です。

天日干しと一夜干しの違い

魚の干物を作る際には主に2種類の方法があります。太陽光をしっかりと当てて乾かす天日干しと日の光には当てず一晩夜風に当てて乾燥させる一夜干しの2種類です。天日干しの方は水分がより蒸発するため硬めの食感と凝縮された味が特徴で、一夜干しは天日干しに比べると水分を多く残すためふんわりジューシーな味わいに仕上がります。なお、一夜干に関しては「一夜」と名はついていますが、日の当たらない環境と乾燥させるための風(冷風乾燥機など)があれば、夜でなくとも作れます。

のどぐろは一夜干しがおすすめ

のどぐろの干物のイラスト

仕上がり時の食感や味に違いがある天日干しと一夜干しですが、のどぐろは一夜干しがおすすめです。なぜなら、のどぐろはほかの魚と比べ脂質を多く含む魚であり、仮に天日干しにすると太陽光によってこの豊富な脂の酸化が促進されてしまうからです。もちろん天日干しにしてはいけないわけではありませんが、せっかく高級魚のどぐろを食べるのであれば、その上質な脂を存分に味わいたいところ。一夜干しであれば、脂のおいしさを残しながら、適度に水分が抜けることで、のどぐろ本来のうま味がより引き出されるのです。

のどぐろの干物の食べ方

贈り物などで干物をいただく機会もあると思います。普段干物を食べる機会がないと、一体どうやって食べれば良いのだろうと悩んでしまうかもしれません。しかし、大丈夫です。のどぐろをはじめとした干物は簡単な加熱調理ですぐに食べられます。

焼いて食べるのが一般的

のどぐろに限らず干物は焼いてから食べるのが一般的です。干物は、適切な温度と湿度の中で水分を取り除くことで、微生物の繁殖を抑えています。しかし、水分が完全に抜けているかと言えばそんなことはなく、衛生面からも加熱は必須となります。

ただ焼くだけじゃない!のどぐろアレンジレシピ

のどぐろの香味和え
のどぐろの香味和え

焼いてそのまま食べることが多い干物ですが、実はさまざまな料理に応用できます。そこで、島根県の水産加工品メーカー和田珍味のスタッフ考案の、「のどぐろの一夜干」を使用したオリジナルアレンジレシピを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

のどぐろの干物の焼き方

のどぐろの干物をおいしく食べるための焼き方を紹介します。家庭にあるだろうさまざまな調理器具における焼き方のコツを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。なお、のどぐろに限らずほかの魚にも応用できます。

下準備

干物は冷蔵または冷凍で保存されています。冷凍の場合、解凍してから焼くべき?と迷われるかもしれませんが、結論から言えば冷凍状態のまま焼いて構いません。「必ず解凍してから焼きましょう」などとしているWebサイトもありますが、たとえ冷凍状態であっても焼くことでしっかりと中まで火が通るため、冷凍のまま焼いても問題ありません。さらに言えば、解凍することで発生するドリップと呼ばれる水分には干物のうま味成分も含まれているため、冷凍のまま焼いたほうがおいしく焼き上がる可能性も高くなります。

関連記事:冷凍干物の失敗しない・くっつかない焼き方を専門店が解説します!

また、干物は水洗いすべき?という疑問もよく目にしますが、原則として水洗いする必要はありません。干物は魚を塩水につけるなど細菌が繁殖しづらい状態に加工されています。天日干しのものなどで衛生面が気になる場合は、よく絞ったふきんやキッチンタオルで表面を軽く拭くのがおすすめです。

魚焼きグリル

魚焼きグリル

魚焼きグリルは高火力で中までじっくりと火を通せるので、干物を焼くのに適しています。酢やサラダ油をクッキングペーパーに染み込ませ、グリルに塗っておくとこびりつき防止になるためおすすめです。グリルはあらかじめ強火で4〜5分加熱しておきましょう。

  1. 予熱をおこなう(4〜5分程度)
  2. 受け皿に水を入れる(水なしグリルの場合は不要)
  3. 「皮目が下」かつ「尾が手前」になるようにグリルにのせ、焼き始める
  4. (片面焼きグリル)約5分経過後、焦げ目が確認できたらひっくり返す
  5. 両側に焦げ目がついたら完成

※焼き時間は干物の状態(冷蔵・冷凍)やサイズによって異なります
※片面焼きグリルの場合、先に皮目を下にしてから焼くときれいに仕上がります

ワンポイントアドバイス

グリルの掃除が簡単になる方法
受け皿に水を入れて使うタイプのグリルであれば、水溶き片栗粉(水100ミリリットルに対し片栗粉大さじ1〜2杯程度)を受け皿に入れてから焼いてみましょう。加熱時に下に落ちる魚の余分な脂がゼリー状に固まりスルッと剥がせるようになるため、調理後の掃除が格段に楽になります。

フライパン

フライパン

のどぐろの干物はフライパンでも焼けます。フッ素加工のフライパンであればサラダ油をひいてそのまま焼いても良いのですが、鉄製のフライパンの場合そのまま焼いてしまうと皮がフライパンの底にくっついてしまうケースも多いため、クッキングシートやフライパン用ホイルを使用すると良いでしょう。焼き加減の調整もしやすく、後片付けも簡単なのでおすすめです。

  1. ホイルを敷き、皮目から焼き始める(フタはしない、5〜6分を目安に)
  2. 軽く焦げ目が付いたところでのどぐろをひっくり返す
  3. 水と酒を少量加えてからフタをして4-5分を目安に蒸し焼きにする
  4. 最後はフタを外し、水分を蒸発させる
  5. 両側に焦げ目がついたら完成

※焼き時間は干物の状態(冷蔵・冷凍)やサイズによって異なります

オーブン(家庭用オーブンレンジ)

オーブンレンジ

のどぐろの干物はオーブン(家庭用オーブンレンジ)でも焼けます。オーブンを使うメリットとして

  • 上からも下からも熱が均一に伝わる
  • ひっくり返す手間がかからない
  • グリルやフライパンからはみ出すような大きなのどぐろでも調理可能

といった点が挙げられます。

オーブンを使う場合、はじめに網を用意します(網がない場合は、クッキングシートやフライパン用アルミホイルを天板に敷きます)。脂が垂れるため、網の下に天板もセットしておくと良いでしょう。

  1. 予熱を行う(設定温度は180度〜200度が目安)
  2. 刷毛などでのどぐろにサラダ油を塗る
  3. 予熱が完了したら、のどぐろを網の上に置き、焼き始める
  4. 加熱時間は15分を目安に、焼き加減などを見ながら時間調整する
  5. 両側に焦げ目がついたら完成

※焼き時間は干物の状態(冷蔵・冷凍)やサイズによって異なります
※オーブンは魚焼きグリルと比べ温度が低いため、時間をかけてじっくりと焼きます
※途中でひっくり返す必要はありません
※スチーム機能のあるオーブンレンジであれば、よりふっくらと仕上がります

七輪(バーベキューコンロ)

七輪

のどぐろの干物はバーベキューコンロや七輪でも調理できます。炭の香りはのどぐろの味わいを引き立ててくれます。七輪の場合、丸形のものだとサイズによってはみ出してしまうおそれがあるため、のどぐろ全体がすっぽりと入る角形のものがおすすめです。頭や尻尾までしっかりと火を通せるように、炭は七輪全体にまんべんなく広げておきましょう。火は強火がおすすめです。ただし、炭とのどぐろの距離が近いとあっという間に焦げ付いてしまうので、七輪用の高さ調整台などを利用して焼き加減をコントロールしましょう(焼き物は「強火の遠火」が良いと昔から言われています)。

  1. 網に酢またはサラダ油を塗り、よく加熱する
  2. のどぐろの干物を皮目から焼く
  3. 焼き加減を確認し、軽く焦げ目が付いたら裏返す(目安5〜6分)
  4. 両側に焦げ目がついたら完成(目安4〜5分)

※焼き時間は干物の状態(冷蔵・冷凍)やサイズによって異なります
※屋外で焼く際には気温や風が焼き加減に影響しやすくなるため、こまめに焼き加減を確認する
※フタになるものがあれば裏返した後、水と酒を少量加え4-5分を目安に蒸し焼きにすると仕上がりがふっくらする

ワンポイントアドバイス

付け合わせがあるとより一層華やかに
盛り付けの際は、付け合わせとして大根おろしやレモン、はじかみ(ピンク色の細長い生姜)を添えると見た目も華やかになりグッド!のどぐろの上質な脂をより引き立ててくれます。

焼いてから時間が経ったのどぐろの干物を復活させる裏技

焼いた干物が余ってしまった場合や後で食べる分まで一気に焼いておきたいことってありますよね。しかし、時間経過とともに焼いた干物は身が固くなりパサパサとしてしまいます。そんなときには以下の方法を試してみてください。

固くなった干物を復活させる裏技
  1. アルミホイルやクッキングシートに干物をのせ、酒と水を少量加える
  2. すき間を少し残して全体を包む
  3. フライパンにのせ、中火で加熱する
  4. すき間から蒸気が出てきたらホイルを開ける
  5. 残った水分をある程度蒸発させれば完成(※加熱しすぎないように注意する)

短時間蒸し焼きにすることでのどぐろの干物の身に含まれる脂肪分やたんぱく質が柔らかくなりふっくらとした食感が復活します。さらに日本酒を加えることで臭い消しの効果も期待できます。

のどぐろの干物の保存方法と豆知識

干物の本来の目的は保存性を高めることです。しかし、とくに一夜干しの場合は水分を比較的多く含んでいるため、常温での保存はできません。

冷凍保存で長持ち

干物は冷蔵保存か冷凍保存が基本です。冷蔵保存の場合は数日以内、冷凍保存の場合は数か月から1年ほど味を保てます。和田珍味の「のどぐろ一夜干」は賞味期限を1年としているため、保存食としても贈り物としてもおすすめです。

のどぐろの干物は自宅で作れる?

干し網

新鮮なのどぐろが入手できれば、自宅で干物を作ることもできます。

STEP1:うろこ取り

身にあるうろこを丁寧に取ります。ヒレの部分は鋭く尖っていることがあります。先に包丁などで切り取っておくと良いでしょう(ヒレ近くの細かいうろこも取りやすくなります)。鮮魚の扱いに慣れている方は包丁でうろこを取れると思いますが、慣れていない方は専用の「うろこ取り」を事前に購入しておくと便利です(ホームセンターをはじめ100円ショップなどでも販売されています)。また、ペットボトルキャップやスプーンを使ってうろこを取る方法もあります。なお、うろこはのどぐろの尾から頭の方向に向けて滑らせるように取っていくとスムーズに取れます。

STEP2:えらと内臓の下処理

うろこを取り終えたら、えらと内臓を取り除きます。えらと内臓は生臭さや苦味の原因となる物質を多く含んでいます。そのため残さず丁寧に取り除くことで魚の臭みを抑え、より美味しく食べられるでしょう。

えらと内臓の取り除き方
  1. のどぐろの腹を上にしてえらぶたを開く
  2. えらと身のつなぎ部分を包丁で切る
  3. えらを反対側まで切り取る
  4. のどぐろの腹を切り、えらと内臓を包丁でかき出す
  5. 残った内臓を丁寧に洗い流す

STEP3:腹開き

STEP2で切り開いたお腹側から包丁を入れ、骨に沿わせて少しずつ包丁を動かします。背中側の皮を残すように身を開き、頭も半分に割ります。
※頭を残しておく必要がないという方は、先に頭を切り落としてもOKです

STEP4:塩漬け

塩漬けの方法は2種類あります。

立て塩:塩水に魚を漬け込む方法。塩水による浸透圧で、魚の臭みや余分な水分が比較的簡単に抜けます。

振り塩:魚に直接塩をふりかける方法。立て塩に比べ、短時間で高い脱水効果が期待できます。

塩水につける立て塩の方が均一に漬かるため、はじめて干物にチャレンジするという方にはおすすめです。

立て塩の場合は、水1リットルに対し100グラムほどの塩を入れ、その中にのどぐろを漬け込みます。漬け込む時間の目安は20分〜1時間程度です。のどぐろのサイズに応じて、塩水の量や漬け込む時間は調整しましょう。
※のどぐろは脂ののりが良い魚のため、塩の回りが他の魚と比べ早いと言われています

振り塩の場合は、のどぐろ全体に塩を振りかけ、30分程度寝かせます。その後、水がにじみ出てくればOKです。

STEP5:干す

塩漬けが終わったら、のどぐろを軽く水で洗い、キッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。干し網(ホームセンターや釣具店でも購入できます)を用意し、重ならないようにのどぐろを並べます。干し網を日の当たらない風通しの良い場所に吊るし、3〜4時間を目安に干しましょう。風がない場合は扇風機やサーキュレーターを回すと乾燥時間の短縮になります。なお、干す時間は気温や湿度、風の具合によって変わってきます。指で触ったときに指の跡が付くくらいまで乾燥したら裏返し、ベタつき感が完全になくなったら完成です。

自家製の干物は冷蔵で2〜3日以内、冷凍でも2週間程度を目安に食べきりましょう。保存の際はラップで包み、フリーザーパックに入れるのがおすすめです。

まとめ

本記事では、のどぐろの干物について食べ方から保存方法、調理器具別の焼き方までおいしく食べるためのコツを押さえながら解説しました。上質な脂を身にまとう高級魚のどぐろは干物にすることで、より一層その凝縮したうま味を楽しめます。

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