のどぐろの養殖について

のどぐろ(アカムツ)は養殖が難しい魚として知られています。
のどぐろが生息しているのは水深200mほどの深海の砂利場であり、その状況を養殖で再現するのが難しいのに加え、いまだ生態についてわからない点も多く、飼育が難しいのが現状です。
養殖が難しいからこそ、のどぐろは高級魚として認知されているのですが、その状況がいつか変わるかもしれません。

新潟県糸魚川市にある県立海洋高校は、平成30年に近畿大学と「アカムツ等の養殖及び種苗生産に関する高大連携協定」を締結し、近畿大学水産研究所の指導のもと、高校生が天然ののどぐろの養殖研究を行ってきました。

令和元年9月には上越漁業協同組合所属の漁船に乗り組み、のどぐろからの採卵実験、人工授精を行い、45日齢までの飼育に成功しました。これは世界全体でも2例目、高校レベルでは初であり、その後も生徒たちが養殖研究に取り組んでいます。
過去には新潟市水族館マリンピア日本海が世界初の人工授精を成功させました。
海洋高校では今後も近畿大学と連携しながら栽培漁業のための稚魚育成に取り組み、のどぐろの資源保護や安定供給につなげるための完全養殖を目指すとしています。

今後、さらに研究が進んでのどぐろの完全養殖が可能になれば、私たちにとって身近な食材になるかもしれませんね。
そうなることが楽しみです。