日本海側を代表する海の幸のどぐろ（正式名称：アカムツ）は、白身のトロとも呼ばれるほど脂ののりが良い魚として知られる高級魚です。その味わいは多くの人々を魅了し、北陸地方や山陰地方のご当地グルメの代表格としてたいへん人気があります。
本記事では、そんなのどぐろの値段に関して、スーパーやネット通販などの市販品の価格から海鮮市場での卸売価格、都内の専門店で提供されるのどぐろ料理の値段まで詳しく解説します。
記事後半では、贈り物としても最適なのどぐろの一夜干についてサイズ別の価格もご紹介。さらに、昨今ののどぐろ価格高騰の原因についても考察していますので、ぜひご一読ください。
【購入場所別】のどぐろの値段
のどぐろが高級魚とされる理由のひとつが希少性です。一般的に市場で流通している魚に比べ、漁獲量が少なく、また養殖物がほとんど存在しないため、めずらしい魚として知られています。
とはいえ、一般消費者も購入できる海鮮市場やスーパーなどでまったく見かけないかというとそうでもありません。島根県や山口県、石川県など有名産地の鮮魚取扱店では新鮮なのどぐろを目にする機会も多く、タイミングや店舗によっては名産地以外のスーパーなどでも鮮魚ののどぐろが入荷しているケースもあります。また、最近ではインターネット上の通販サイトでも冷蔵や冷凍ののどぐろを購入することも可能です。
スーパーなどで販売されているのどぐろの値段
はじめに、多くの方にとって一番身近なスーパーなど小売店におけるのどぐろの価格を調べてみました。
のどぐろの値段の特徴として、「サイズによって値段が大きく異なる」という点が挙げられます。たとえば、スーパーなどでも目にする機会が多いだろう「豆のどぐろ」（非常に小さなのどぐろ）であれば、1尾50グラム程度のものが100円以内で販売されることもあります。
一方、1尾500グラム以上のようなサイズが大きいのどぐろは、5,000円以上の値段がつくこともめずらしくありません。
グラム当たりの値段で整理すると、豆のどぐろが100グラム100円〜200円程度なのに対し、サイズが大きいのどぐろは100グラム1,000円以上となります。ほかの魚の値段にも同様のことが言えますが、これはサイズが大きいほど可食部（食べられる身の部分）の割合が大きくなることが主な理由です。しかし、のどぐろに関してさらに言うなら、サイズが大きくなるほど脂ののりが良くなる（脂質含有量の割合が大きくなる）ことが調査（※）によって判明しており、このことも大型ののどぐろほど高値で取引される理由と言えるでしょう。
※参考：島根県周辺海域で漁獲されたアカムツ総脂質含有量の季節変動と個体差（島根県水産技術センター）
楽天市場など通販で販売されている冷凍のどぐろの値段
最近は、通販サイトでものどぐろを購入できます。冷凍したものが主流ですが、なかには水揚げされた直後のものを冷蔵状態で発送してくれる店舗もあります。
通販サイトでの価格に関しては、たとえば冷凍のどぐろ500グラム2尾（=合計1キログラム）で10,000円程度のものが多いようです。冷蔵品についても同程度の価格で販売されていることが多く、店舗によってはえらと内臓をとった下処理済みのものを販売しているところもあります。
このように通販サイトで売られているのどぐろは、1キログラム10,000円程度が相場となりますが、サイズが優れたものや有名産地のものであれば、1キログラム20,000円程度のものもあります。これぞ高級魚といった価格です。
なお、通販サイトで購入するものは、別途送料がかかることも多く、海鮮市場やスーパーなどで購入する場合よりも割高になる傾向にあります。
のどぐろの卸売価格
卸売価格とは小売店への流通の手前つまり卸売市場で取引されている価格です。時期や地域、そして個体差によって変動する卸売価格ですが、おおよその目安はのどぐろ1キログラム4,000円〜8,000円です。
価格に幅がありますが、前述したようにのどぐろはサイズによって大きく値段が異なるため、同じ1キログラムでも1尾当たりのサイズによって取引価格も大きく左右されます。もちろんサイズ以外にも、時期や漁獲地域、漁獲方法によっても価格は変動します。
なお、参考価格として、東京都豊洲市場で取引される他の魚介類の価格についてまとめたものが次の表です。
| 種類 | 価格（/kg） |
|---|---|
| まぐろ（国内） | 3,385円 |
| めばち（国内） | 1,592円 |
| かつお | 751円 |
| ぶり | 518円 |
| はまち（養殖） | 1,943円 |
| かんぱち（天然） | 1,465円 |
| またい（天然） | 951円 |
| きんめたい | 2,004円 |
| いせえび（国内） | 6,183円 |
| ずわいかに | 2,087円 |
| とらふぐ | 1,263円 |
関連記事：高級魚「のどぐろ」の秘密に迫る！水産加工品メーカーが徹底解説
飲食店で提供されているのどぐろ料理の値段
次に飲食店で提供されるのどぐろ料理の値段を調べてみました。まずは、東京都内でのどぐろを専門に取り扱うお店の代表的なメニューの価格です。
※価格はすべて税込です
東京都中央区 銀座中俣
・のどぐろ厚切り刺身 1,628円
出典：https://nakamata-nodoguro.com/ginza/
・のどぐろ煮付け（一尾）4,378円
・のどぐろ姿塩焼き 4,378円
※上記価格は本記事執筆時点のものです。
詳細なサイズについてはわかりませんが、一般的な魚料理と比較すると高額であるとわかります。
次に、のどぐろの名産地である金沢と島根におけるのどぐろ料理の値段を調べてみました。
石川県金沢市 いたる 本店
・のど黒煮つけ 3,300円
出典：http://www.itaru.ne.jp/honten.htm
・のど黒塩焼き 3,300円
※上記価格は本記事執筆時点のものです。
島根県大田市 VIEW&CAFE SHINWA（和田珍味）
・のどぐろ姿煮 2,400円
・のどぐろアクアパッツァ 2,800円
※上記価格は本記事執筆時点のものです。
このように、のどぐろ料理自体が魚料理全体のなかでは高額な部類だと言えますが、やはりのどぐろ産地で提供されるのどぐろ料理は、都内で提供されるものと比べると値段もお手頃だということがわかります。
なお、次の記事はのどぐろが食べられる回転寿司について以前調査したものです。記事の中ではのどぐろの寿司の値段についても解説しています。
関連記事：高級魚「のどぐろ」の寿司が食べられる回転寿司を徹底調査
【サイズ別】のどぐろの干物（一夜干）の値段
干物（一夜干）はふっくらとしたその身にのどぐろの旨味が凝縮されるため、のどぐろ料理としてぜひおすすめしたい一品です。
のどぐろの本場島根県の水産加工品メーカー和田珍味ではさまざまなサイズの「のどぐろの一夜干」を販売しています。次の表はのどぐろのサイズと値段をまとめたものです。
| サイズ（重さ） | 価格（税込） |
|---|---|
| 81-100g | 1,080円 |
| 101-120g | 1,296円 |
| 121-140g | 1,512円 |
| 141-160g | 1,728円 |
| 161-180g | 1,944円 |
| 181-200g | 2,268円 |
| 241-270g | 3,456円 |
| 271-300g | 4,104円 |
| 301-350g | 4,860円 |
一夜干に関しても、サイズが大きいのどぐろほど脂ののりが良く、味わいも優れていることから、鮮魚同様1グラム当たりの価格も上昇します。
のどぐろの干物は、冷凍で長期保存も可能なため、贈り物や手土産としてもぜひおすすめしたい商品です。その際は、できるだけ大きなものを選ぶと味わいに優れており、さらに見た目としてもインパクトがある、つまり「のどぐろは大きいものほどギフト向き」だという点に留意して商品選びを行うと良いでしょう。
近年のどぐろの価格が上昇しているってホント？
のどぐろは2000年頃より高級魚として扱われるようになりましたが、近年さらにその価格が上昇傾向にあります。その原因の一つとして考えられるのが、不漁です。のどぐろの名産地として全国的にも知られる島根県浜田市も2023年2月のニュースの中でのどぐろの不漁に言及しています。
ノドグロは不漁が続いていて、漁のピークにあたる去年９月の浜田港での水揚げ量は、前の年の同じ月の半分程度に激減
出典：不漁×値上げ ノドグロがピンチ？｜NHK 島根県のニュース
また、九州近海で水揚げされる高級魚は今やアジアでの人気が高まり、国外輸出量が増加の一途を辿っているようです。のどぐろなどの高級魚は日本よりも高値で取引される傾向にあるため、結果として日本国内での取引価格も上昇します。
日本で水揚げされるノドグロやマナガツオといったいわゆる高級魚の行き先が、国内から海外に移っていると言われている
出典：のどぐろやマナガツオ 高級魚が中国や韓国へ 日本の鮮魚なぜ人気？ | NHK | ビジネス特集
さらに、地球温暖化の影響で天然の魚が生息する分布にも大きな変化が生じており、のどぐろに関しても例外ではありません。これまでのどぐろの名産地として知られた地域ではのどぐろの漁獲量が減少し、反対にのどぐろを漁獲対象としていなかった宮城県沖に急遽のどぐろの漁場が出現したことなども確認されています。
漁場の激変ぶりを象徴するのが高級魚ノドグロ（アカムツ）だ。従来の主要な漁場は長崎県対馬沖や島根県山陰沖で、海底付近に居つきブリのように長距離を回遊しない魚だが、数年前に突如、宮城県沖に漁場が出現した
出典：温暖化で激変！ 全国漁港調査で明らかになった最新「おさかな分布マップ」 – 社会 – ニュース｜週プレNEWS
このようにさまざまな要因が絡み合い、のどぐろの価格は上昇傾向にあります。一方、これまで養殖化は難しいとされていたのどぐろですが、富山県では人工的に育てたアカムツ（のどぐろ）の稚魚を、試験放流する取り組みを続けており、少しずつ良い結果も出ています。
滑川市にある県水産研究所では人工的にふ化させたアカムツの稚魚を大量に育てることに全国で初めて成功し、養殖と放流の技術を確立するため国内で唯一、平成２８年から試験放流を続けています。
出典：人工的にふ化させた高級魚アカムツの稚魚を富山湾に試験放流
こういった取り組みにより、養殖漁業や栽培漁業の技術が確立されれば、将来的には、のどぐろの漁獲量が増え価格も安定していくかもしれません。
のどぐろは贈り物に最適
「のどぐろ＝高級魚」というイメージが定着しているからこそ、のどぐろは特別な機会に贈るギフトとして最適な品です。なお、のどぐろの干物や姿煮など加工されたものであれば、冷凍保存ゆえ日持ちもするためとくに喜ばれます。
本章では、のどぐろの本場島根県の水産加工品メーカー「和田珍味」が自社開発したのどぐろギフトを紹介します。お歳暮やお祝いの品として人気があるものばかりです。ぜひギフト選びの参考にしてみてください。
のどぐろの一夜干
和田珍味ののどぐろが他店のものとは一味違う
今や贈答用としても非常に人気を集める「のどぐろの一夜干し」和田珍味では塩のみを使用し、無添加仕上げにしています。新鮮なのどぐろを一夜干しに加工し、急速冷凍技術を使って旨味を凝縮させた当商品はのどぐろ本来の味を楽しんでいただくにはもってこい。脂ののりが抜群なのでグリルの上で焼いてもふんわりジューシーに仕上がります。
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▶「のどぐろの一夜干し」商品一覧 | 和田珍味オンラインショップ
のどぐろの姿煮
化学調味料不使用＆こだわりの自家製タレ
高級魚・のどぐろの濃厚なおいしさが楽しめるもうひとつの食べ方が煮付けです。和田珍味では、旬の脂が乗ったのどぐろを、こだわりのタレでふっくらとした姿煮に仕上げました。湯煎するだけで、お手軽にお楽しみいただけます。
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のどぐろのアクアパッツァ
のどぐろとイタリア料理の融合
のどぐろのおいしさをもっとお伝えしたい、その思いから「のどぐろのアクアパッツァ和風仕立て」が生まれました。脂ののったのどぐろを一尾丸ごとこんがり焼き、旨味を封じ込め、あさり・トマト・オリーブなどと一緒に旨味が溶け込むように煮込みました。湯煎するだけで、お手軽にお楽しみいただけます。
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のどぐろのたたき
のどぐろを「たたき」でいただく贅沢な逸品
“白身のトロ”と言われる高級魚「のどぐろ」を使ったのどぐろのたたきです。脂ののった大ぶりののどぐろだけを厳選し、表面をサッと炙ることで香ばしさを引き出し、中身は良質な旨味とコクを閉じ込めました。一夜干とはまたひと味違った贅沢なおいしさをご堪能ください。
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▶「のどぐろのたたき」商品一覧 | 和田珍味オンラインショップ
※「のどぐろのたたき」は受注生産の商品となっております。お届けまでにお時間を要する場合がございます。ご了承ください。
まとめ
本記事では、のどぐろの値段・価格について購入場所やサイズ別にまとめ、さらにのどぐろが高級魚とされる理由について掘り下げて解説しました。
残念ながらとくに近年はのどぐろの価格が急騰しているという現状にありますが、上質な脂を蓄えた白身のトロとも呼ばれるのどぐろは、ほかの魚にはない味わいがあります。ぜひ一度ご賞味ください。